たった20行のJavascriptで広告効果倍増

 5年前、ECサイトの運用・開発をしていたときの話です。その当時、それなりの広告費をかけて、沢山の広告メディアに広告を掲載していました。しかし、費用対効果をトラッキングするシステムを持っていなかった為、どこの広告メディアが一番費用対効果が高いのかさっぱり分からず、アクセスログ解析を見てアクセス数が最も多いところにお金をかけてみるといったおおざっぱな手法をとっておりました。いわゆる暗中模索の状態でした。かといって当時としては費用対効果をトラッキングするシステムはASPにしても購入するにしても割高でしたし、ちゃんとしたものを自作するにはそれなりの工数が掛かってしまうということで、ずっと保留のままになっていました。

とはいえ、さすがに運営費の中で大きな割合を占めていいる広告費をそんなどんぶり勘定状態にしておくわけにはいかないと思いましたので、この状況の中で何かよい案がないか考えてみました。
 この問題の本質は、広告の費用対効果の可視化が全くできていないということでした。
つまり、不完全ではあっても可視化できればよいわけです。少なくとも統計データはとれます。

 通常この手のトラッキングシステムは、すべてのプログラムにセッションで広告メディアを引渡し続けるといった処理をする必要があります。ここの部分をJavascriptでreferが外部サイトのもの、あるいはパラメータにad_codeといったものがついていた場合cookieに保存するといったシンプルなもので代替してみました。

 わずか30分で作った、たった20行ほどのJavascriptのコードです。ブラウザ側でjavascriptcookie、referがoffになっていた場合、あるいは携帯サイトの場合はトラッキングできませんが、これによって、全く売上を上げていない広告メディアの存在も明らかになり、費用対効果の高い広告メディアに費用を投入できるようになった結果として広告効果が倍増しました。

 暗闇に一条の光を灯す。光があるのとないのでは全然違う。まずは上位ビットを1にしようぜ!!残りのビットをすべて埋めるのは後からでもできる!!といった事例でした。

 後日談として、ECサイトを携帯対応した際に、セッションを使った広告の費用対効果をトラッキングするシステムを作りましたので、Javascript版は役目を終えましたとさ。めでたしめでたし。